#44-2 社会保険の仕組み(5)

稼ぐ力

「どっちがお得?:社会保険のメリットデメリット」

 

~前回のつづき~

 

●会社員と事業主どっちがお得?

会社経由で入れる社会保険におけるポイントが2つあります。

 

(1)会社が半分負担してくれる

これが大きいです。

会社員の場合は会社が半分負担してくれるんですよ。

 

自営業の場合であれば当たり前ですが自分で全額負担します。

だからその部分がまず大きいです。

 

(2)社会保険においての扶養制度

夫や妻が自分の子供を扶養に入れる事ができます。

(給料年収130万円以内の人にかぎります。)

 

扶養に入れた場合自分の奥さんや子供を自分の扶養に入れた場合

奥さんや子供の保険料は0になります。

 

よくある勘違いですが

 

「これ以上稼ぐと扶養から外れるからパート減らしてます」

 

という奥さんが結構いらっしゃいます。

 

これは『どっちの扶養か?』という話です。

 

扶養には二種類

 

(1)社会保険上の扶養

(2)所得税上の扶養

 

があって

どっちの扱いかで全然意味が違います

 

(1)社会保険の扶養

扶養してもらう人が得をするんです。

扶養してもらう人の健康保険と年金負担が0になる。

 

だから自分の奥さんを自分の社会保険の扶養にいれてあげるとすると

そうすると奥さんの健康保険と年金負担が0になります。

 

それでちゃんと入れてる事になる。

 

奥さんを自分の社会保険の扶養に入れる事が出来るかどうかというのが年収130万円なんです。

 

厳密にはこの130万円というのも旦那さんが入ってる保険によって微妙に違いが出るので

この辺は入ってる組合に確認する必要があります

 

(2)所得税上の扶養

これは扶養する人が得をします。

 

例えば旦那さんが自分の奥さんを扶養に入れたとします。

そうすると扶養してる旦那さんの所得税が安くなる。

 

奥さんを扶養に入れる事が出来るかどうかというのが

年収103万円です。

 

だからこの辺で話がゴッチャになる

ここが凄く大事な所です。

 

だからこの扶養というとみんなゴッチャになってるんですけど

 

・社会保険の方の扶養なのか

・所得税の方の扶養なのか

 

そこは意識してほしい。

 

扶養に入れた場合

社会保険の場合は自分の奥さんを扶養に入れた場合奥さんが得をします。

 

だから扶養に入れる事が出来るかどうかというのは

会社の方の健康保険じゃないと扶養に入れる事が出来ないんですよね。

 

自営業の方で入れる国民健康保険の保険の方であれば扶養に入れる事が出来ないんですよ。

奥さんがいくら年収が低くても個別の計算になってしまうので

そこがちょっと違う。

 

●入れる保険の違い再度確認

(1)個人事業主の場合

・国民健康保険

・国民年金

 

(2)会社員の場合

・健康保険

・国民年金+厚生年金

・雇用保険

・労働保険

 

●事業主のデメリット

(1)国民健康保険は奥さんや子供を扶養に入れる事が出来ない

会社員の健康保険の場合は入れる事が出来ます。

 

(2)国民健康保険は健康保険より特典が少ない

出産手当金と傷病手当金が出なかったりします。

その辺で多少違いはある。

 

・3割自己負担

・高額療養費制度

 

その辺は変わらないです。

 

(3)国民年金の場合は受取額が少ない

当然積立てている金額が少ないので貰える金額が少ないんですよね。

一階建なので。

(年金制度の3階建て 

出典:https://sure-i.co.jp/journal/pension/entry-80.html)

 

●事業主は損なのか?

個人事業主もメリットが色々あって

 

(1)支払った社会保険料は経費になって全額控除

(2)会社員に比べて節税の幅が広い

(3)節税の幅が大きい

(青色申告所得控除など)

 

自分で年金部分は作っていけます

 

法人を作ったりすれば更に選択肢というのが拡大するので

イコール損かというとなかなか難しい。

 

●結局どっちがお得?

ケースバイケースです。

 

社会保険の部分だけで決めるというのは

 

「木を見て森を見ず」

 

です。

 

その部分だけを見たら確かに損な所も有りますが

もうちょっと広い視野で全体を見た場合に損か得かはまた別の話です。

 

だから社会保険の事だけを見て損か得かというのを判断するというのは

なかなかむずかしいのではないでしょうか。

 

●まとめ

・社会保険とは国の社会保証

国民みんなで負担しあっている

 

・社会保険

→マインドマップ参照

 

・個人事業主と会社員で入れる保険が違う

事業主が加入する主な保険

 国民健康保険国民年金

 

 会社員が入れる保険

 (会社が半分負担してくれる)

 健康保険

 厚生年金

 雇用保険

 労災保険

 

・国民年金は受取が少ない

自分で年金を作る事が出来る

 国民年金基金

 付加年金

 iDeco

 積立NISA

 などがありそこまで心配する必要はない

 

・健康保険と厚生年金

→会社で入る健康保険は扶養に入れる事が出来る

扶養に入れた家族の社会保険料は0

 

自分が奥さんや旦那さんの扶養に入ってる場合

自分の所得を130万円以内に抑えれば扶養からは外れない。

 

ただ入ってる社会保険の種類というのがいくつか有って

その辺は入ってる組合に確認する必要がある。

 

・社会保険料の決まり方

個人去年の所得で決まる

 会社員4〜6月の給料をベースに決まる

 

・社会保険料率ザックリ

→これは会社員の場合

(出典:リベラルアーツ大学)

 

・会社員と個人事業主どっちが得?

→それぞれ違いがある。

 それぞれの立場に合わせて最適な方法を探せばいい

 

 社会保険料だけを見て決めるというのは

 「木を見て森を見ず」

 になってしまう。

 

 サラリーマンがいいとか

 事業主がいいとか

 違いがあるから一概に損得は言えない

 

 税金だけじゃなくて税金以外の面でもそれぞれの違いがあるので

 一概にどっちがいいかは前提条件による。

 

・節税だけを考えるより稼ぐ能力を磨くのが大事

→そもそもの目的を忘れない。

 

 税金を減らすという小さな事ばかりに目を向けずに

 もう少し大きな目線が必要

 社会保険は複雑なので全部覚える必要はない。

 

 稼ぐ力を身につけたら老後の備えというのはどうにでもなる

 やはり自分自身で稼ぐ力を身につける事が老後の備えの一つ。

 

 まず稼ぐ力を身につけよう

 自分で魚を獲る能力を身につけていくというのが大事。

 

 Special Thanks college president Ryo.

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